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発売直前紹介『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』

 ひさびさのアメコミ紹介となりますが、今回取り上げますのは、2月15日にShoProより発売の予定されております『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』です。

 シールド協力者として、今日も元気にヒドラの支部にカチコミをかける我らがデッドプールさん、「ボブ! いたら返事してくれよ! お前を殺しちゃう前にさ!」などと、一応友だち思いなところを見せつつもばったばったと戦闘員たちを薙ぎ払っていきます。(比喩でなく)
 今回の目的はひとりの科学者の保護にありました。
 彼の名前はカール・ウェザー博士、ヒドラ内部である研究を進めていた人物です。その研究とは時間旅行に関するもので、博士はそれを担保に複数の組織に売り込みを図っていたのでした。
 研究内容やそれにまつわる裏事情を知り、きなくさいものを感じたデッドプールは行動を起こそうとした矢先、突然背後から銃をつきつけられます。
「お前がウェザー博士を殺すことが、この世界の崩壊の引き金になる」
 重武装で語るその人物こそ、かつての相棒、ケーブルことネイサン・サマーズでありました……

 と、リーフにすると全3話のミニシリーズですので、ストーリーの説明は発端部分くらいにしますが、ぱらぱらと散らばる単語からもわかる通り、今回のテーマは時間旅行、そしてそれにつきもののタイムパラドックスにあります。
 過去と現在、未来が絡み合い、ちょっとした行動のもつれが、他の時代にも大きな影響を与える。果たしてケーブルの言葉通り、デッドプールは博士を殺してしまうのか? いったいなぜ? そうした場合の未来と過去への影響は? また、どうしてケーブルは老いた姿でデッドプールの前に姿を現したのか?
 そうした謎を追ううちに、デッドプール自身も時間の潮流のなかに投げ込まれて……
 というハードSFなガジェットを詰め込みながらも、内容は深刻に傾き過ぎず、アクション要素満点の爽快なスピード感でストーリーが展開していきます。
 特にいちいち事柄の影響を考えながら、一手一手を確認しつつアクションを行っていくバトルシーンは、ピタゴラスイッチ的理詰めのパズルゲームを思わせ、面倒になってちゃぶ台ひっくり返す場面を含めてつい吹いてしまいます。
 傭兵としての動きを堪能させてくれるアクションに次ぐアクションで、アメコミでも今時珍しいくらいに数ページごとに剣と銃の応酬がありかなり見応えがあります。

 またケーブルとの友情ものとしても、出色な一編です。
 よく取り上げられる、腐れ縁としてのケーブルとデッドプールですが、前に翻訳された『ケーブル&デッドプール:青の洗礼』では仲間というよりは敵に近い扱いで、信頼関係はさほど厚くない印象を受けるものでした。
 そういう点で、罵り合いいがみ合いつつも、目的のためにパートナーとしてお互いに信頼して歩を共にする姿という、最も望まれていた形が見られるストーリーとして、この『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』はお勧めできます。
 特にデッドプールがケーブルにここ数年でできた自分の「家族」について語る場面は、結構胸に迫ってくるものがあります。

 さて、最後に書誌情報を。
 元になりましたミニシリーズの「Deadpool & Cable: Split Second」は2015年12月から、ネット配信のみのデジタルコミックスとして、全6話がまず公開されました。時期としましては、マーベルの全ユニバースを揺るがした特大クロスオーバー「シークレット・ウォーズ」の終了前後にあたり、シークレット・ウォーズの混沌とした状況の続いていた当時としては珍しく元の時制を思わせる時間軸で描かれていました。(実際には時系列の細かな言及はありませんが)
 このクロスオーバー後の世界は、「オール・ニュー、オール・ディファレント・マーベル(All-New, All-Different Marvel)」と銘打たれて、心機一転したストーリーラインで数多くの単独誌が刊行されています。
 クロスオーバー「AVX(アベンジャーズ vs. X-Men)」後の、「マーベル・ナウ!」みたいなものだと考えてもらえれば、「デッド・プレジデント」以降のオンゴーイング誌『デッドプール』シリーズを追い掛けていた方にはわかりやすいと思います。
 その「マーベル・ナウ!」の一部として刊行された第3期「Deadpool」誌同様、この「オール・ニュー、オール・ディファレント・マーベル」体制下で、デッドプールも新たなオンゴーイング誌を獲得しています。それが第4期「Deadpool」誌です。ナンバリングも1号から戻して再出発した世界では、デッドプールは最も有名なヒーローのひとりとなって、自らのキャラクタービジネスにも大成功を果たし、なんとアベンジャーズの資金提供者となって、いまや押しても押せない人気者となっています。そして彼は自らの色違いコスチュームを製作し、別のヒーローやヴィランに着せてデッドプール隊を結成するのですが……
 と、まあ第4期のオンゴーイング誌については、いずれどこかで詳しい解説があると思いますので、このくらいにしまして、それ以外のデッドプール関連誌につきまして。
 現在、デッドプールがレギュラー出演している雑誌は、スパイダーマンとのチームアップで刊行以前より話題を呼んだ「Spider-man/Deadpool」、個人誌の登場キャラクターとも深く関わる「Deadpool & The Mercs for Money」、そしてアベンジャーズ・ユニティ・スクワッドと名乗るアベンジャーズの分隊を描く第3期「Uncanny Avengers」という具合で多岐に渡ります。
 人気キャラクターとして、多くのストーリーに引っ張りだこで、おまけにAXIS以降格段にマーベル全体を揺るがす事件に関わる機会も増えてきたデッドプールは、現在どの雑誌もシリアス寄りに作られている傾向にあります。
「Uncanny Avengers」ではコメディリリーフをクイックシルバーやジョニー・ストームが演じることが多いので、特にその観が強いです。
 そんななかで、この『スプリット・セカンド』は、野放図に暴れまわるデッドプールらしさが前面に出ている一作ともいえるでしょう。


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テーマ : アメコミ - ジャンル : アニメ・コミック

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