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『デッドプールVol.4:デッドプール VS. シールド』原文比較

 アメコミの記事も久しぶりになります。
 原稿に追われまくってすっかり紹介もなにもできませんでしたが、少し前に『デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド』が発売されておりました。
 ひとまずこれで「Vol. 1:デッド・プレジデント」以来の最も大きなストーリーラインだったSHIELD捜査官プレストンをめぐった物語は幕となります。
 まさか、邦訳がはじまった当初は、ここまで刊行してくれるとは思ってもおらず、ただただ驚くばかりです。
 しかも、翻訳予定リストによれば、マーベル・ナウ!のデッドプールシリーズは全巻刊行予定が決定していて、おまけに来月には『ホークアイ VS. デッドプール』、その次には『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』さらにその先には『デッドプール VS. サノス』が待っている、とミニシリーズまでほぼ完璧にラインナップに組み込まれているときましては、まだまだデスマーチはたけなわって感じですね。
DP_03_04ja_FC.jpg DP_03_04_FC.jpg それはともかくといたしまして、これまでも当ブログで扱ってきました、「日本語独特な言い回しが原文ではどうなっているのかを見てみようなコーナー」の『デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールド』編を少々書かせていただきたいと思います。
 例によりまして邦訳をまず挙げまして、その後に原文を。邦訳には該当ページ数も記しておきますので、なにかの参考になりましたら幸いです。

モリマン山で遊びたいんだ。この言葉、伏せ字にする?(p. 5)
I’ve come to play around on vibranium mound. Since there is no more comic code authority, I assume that is Okay?

 意外とここは直訳というか、原文はもう少し直接的です。ブラックパンサーの故郷ワカンダの特産品ヴィブラニウムですが、vibra-という接頭辞が振動している状態を想像させ、さらにmoundにはヴィーナスの丘を意味するスラング的な用法もありまして……
 ここはこうした露骨な性的表現を出しながら、60年代というコミックコードの規制が少しずつ緩んでいった時代背景を茶化しているのでしょう。

“穿いてますよ”でお馴染みのフィン・ファン・フーム!(p. 16)
Whoa. Fin Fan Foom!!! Well, at least you’re wearing Pants.

 芸人のとにかく明るい安村の持ちネタ(何年か経ったらこれも説明が必要になるかもしれませんので念のため)を使った翻訳ですが、こちらも原文から大きく逸脱していません。
 竜の姿形をしているフィン・ファン・フームですが、宇宙人だからでしょうか、必ずパンツを履かされています。そのあたり、本国でもネタにされることが多いのでしょう。

「ここで一句『クロちゃんよ。気球とともに さようなら』」
「俳句?」
「風流だろ?」(p. 42)
“Buffoon in balloon
Do not cross Deadpool, Crossbones
Up, up, and away”
“Haiku?”
“Gesunheit.”

 英語での俳句のルールは、アルファベット数ではなく音節で、できるだけ五・七・五を作ることだそうです。
 できるだけ、というのは、音節で考えた場合、五・七・五でも世界で最も短い詩というには長すぎるという意見もあるからだとか。
 ここでのデッドプールの読んだ句は、音節になおすと五・七・五になっているようですが、Don'tではなくわざわざDo notといっているあたりに苦心の跡が見えます。
 プレストンが「Haiku?」とたずねた後のひと言は、はっきりとはわからないのですが、ドイツ語のGesundheitの誤植かもしれません。英語でいうところの「Bless you」で、誰かがくしゃみをした際に投げ掛ける言葉です。
 想像なのですが、日本語もわかるデッドプールということですから、「俳句」と日本語のくしゃみ音の「ハクション」を掛けて、そこに「お大事に」の意味の言葉をつぶやいたんじゃないでしょうか。
 何故ドイツ語でいったのか、そもそもそんなジョークだったとして、読んでいる一般的なアメリカ人に通じるものなのかという疑問は残るのですが。

 アクションシーンが多かったので、今回はこんなものでしょうか。
 単発の頃と比べると、翻訳もやはりストーリーに重点をおいて、セリフに突拍子もないものをはさむということが少なくなってきているように思えます。
 けれども、それはデッドプールというキャラクターを一見のインパクトだけではなく、奥行きのある人物としてとらえて楽しめる土台ができてきたということを意味するのでしょう。

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テーマ : アメコミ - ジャンル : アニメ・コミック

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