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よりぬきデッドプールさん: Death Comes to Tinseltown

 短くまとまって、おもしろさが伝わりやすく、かつ私でも読めた(つまりだれでも読める)デッドプールの原書を紹介したいと立ち上げたこのコーナーでしたが、おひさしぶりです。
 今回取り上げたいと思うのは、第3期『Deadpool』誌の#26「Death Comes to Tinseltown」です。
 よりぬきデッドプールさんというタイトルをうたっておりますが、この話の主役はデッドプールではありません。
 こちらです。
DP03_26_01.jpg
 総統閣下はニック・フューリーの活躍にお怒りのようです。
 そう、欧米の映画嘘字幕動画の人気が日本にも波及して、いまやひとつの動画ジャンルになりつつあるアドルフ・ヒトラーが本編の主人公格になります。

 1945年ベルリン。退路を断たれた防空壕の中でアドルフ・ヒトラーは怒り狂っていた。神出鬼没のニック・フューリー率いる部隊にドイツ軍は完全に翻弄され、首都到達まで時間の問題とされていた。たった6人、こんなでたらめな連中に、彼の誇った大ドイツ軍は破れ去ろうとしているのだ。
 憤懣は晴れず、部下のもとを離れひとり癇癪を起こしていると、にわかに電光がひらめき、無人だったはずの空間に人影が現れる。
「我はタイム・トラベラー! 巨悪たるアドルフ・ヒトラーに歴史の粛清を与えにやって来た!」
 勇ましい宣言空しく、わずか数コマで撃退されるタイム・トラベラー。
 そして、おお! なんと恐ろしいことだろうか! あろうことか、タイムマシンはいまや最も手に渡ってはならない者が所持するところとなった!
「このいかれた装置を使い、彼のニック・フューリーに鉄槌をくだしてみせよう!」


DP03_26_FC.jpg 時間旅行者アドルフ・ヒトラーを描いた一編ではありますが、おしむらくはヒトラーが装置の操作に慣れておらず、なかなか目的のニック・フューリーに出あえなかったというところでしょうか。
 しかし、失敗は成功の母、時代を放浪するうちに、ヒトラーは未来のおそるべき科学力を手に入れていたのでした。
 そして、1954年のロサンゼルスで、ついに目的の人物を探り当てることに成功します。
 あわれニック・フューリーはこのまま時間を越えた復讐者の前に、無残に屍をさらしてしまうのでしょうか。
 そこに赤い覆面姿の男が颯爽と現れます……

『アベンジャーズ VS X-MEN』以降のパワーバランスが改められた世界は、マーベル・ナウ!(MARVEL Now!)と銘打ち、デッドプールの掲載誌もライターとアーティストが一新されてリスタートを切りました。
 とはいえ、設定は前から引き継いでおりますので、日本的にいうなら第3部開始! というところです。
 その第3期『Deadpool』誌の特徴のひとつに、中くらいのエピソード間に突然一見なんの脈絡もない単発ストーリーがはさみこまれることが挙げられます。
「ひとつの事件解決直後に、別のトラブルに巻き込まれたデッドプール! いったいどうなったの?」「そっちはともかくとして、ちょっとこっちの話を聞いてほしいんだ」
 こんな感じで、もう投げっぱなしがいっそ気持ちいいくらいに、前の話の引きなどを無視して別のストーリーが語られます。しかも、舞台は現代ではなく過去の。
 体裁としては、例えば70年代なら70年代の当時、発表を控えていたけれども理由あってお蔵入りにされた原稿が発見されたということにしています。
 おそらくその意図は、歴史の加味なのでしょう。
 デッドプールは1991年に生み出された、アメコミの中では中堅に足を踏み込みかけてはいるものの、まだまだ新米キャラです。当然それ以前の、例えばクロスオーバーなどに参加しているわけはありません。けれども、実はその頃にも陰で存在していたんだよー、といえば実際以上の歴史を加えることは可能になります。
 普通のキャラクターでやればよくて失笑、顰蹙も買いかねないアイデアですが、なんでもありが許されるデッドプールならということで、特にだれも気にせずに受け入れられてしまいます。

DP03_05_FC.jpg そういうわけで、1950年代を舞台としてニック・フューリーと臨時でチームを組み、タイムトラベルしてきたヒトラーと戦うというこの「Death Comes to Tinseltown」は、一話でしっかりとおさまって、展開もスピーディかつ濃縮されていて中だるみなく、冒頭のヒトラーの登場から中盤のアクション、そして最後のオチまで、見せ場と笑い場に溢れていて、デッドプールを見たいという人だけでなく、総統閣下シリーズの興味からでも楽しめる一編となっております。
 単行本であるTPBでは、『Deadpool Volume 5: Wedding of Deadpool』に収録されています。
 こちら、話題になったデッドプールの結婚式に、新婚旅行 in ジャパン、それと黄色と白の二色ふきだしの秘密の描かれた「DEADPOOL ANNUAL #1」と、どれも1話完結の話ばかりで、比較的前後のストーリーラインからも分断されていますので、初めて原書コミックに挑戦したいという人にもお勧めの1冊だと思います。

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テーマ : アメコミ - ジャンル : アニメ・コミック

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