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所ジョージ『JAM CRACKER MUSIC 3』

JCM_03_FC.jpg 先月に出た所ジョージの新譜『JAM CRACKER MUSIC 3』を少々遅ればせながら購入しました。
 去年自身のレーベルJam Cracker Recordを設立し、そこからの第3弾となるアルバムです。(1作目、2作目は昨年同時発売)
 昔のインディーズレコードさながらに取り扱いショップが限定されておりまして、どうしても東日本に集中しているところは仕方なくも、地方の人間からすると少々さびしくも思うのですが、amazonでも購入できるのは幸いです。
 レーベルの公式サイトには、設立趣旨のようなものが書かれておりまして、いわく、「『配信なんてクソくらえ。みんなCDを買いましょう』というコンセプト」とのこと。
 そして、今回のアルバムの曲目を眺めてみますと、

1. 万事急須
2. 生活の基礎II
3. 二度とキックはいたしません
4. カラスなぜ鳴くの
5. アザラシじゃ盛りあがれない
6. どうやらタラバガニ
7. オープニング
8. よく考えよう
9. カミさんがパチンコでとってきたアンパンマンの風呂桶セット
10. イロイロあってダメ
11. 外は夏の雨
12. 田舎のゴリラ
13. どうやらタラバガニ(E.Guitar Ver)


 改めて、所ジョージさんの「本気」を見る気がします。

 所ジョージさんといいますと、なんでも小器用にこなすスマートなマルチタレントというイメージが強く、それを売りとして露出させている観も強いのですが、音楽だけは、常に不器用に、時代の流行などとはまったく無縁な独自のやり方を続けているように思えます。
 よく所ジョージさんは真剣に音楽に取り組んでいること、商売として音楽を続けていることを発言され、肩書きは常にシンガーソングライターを用いています。もっとも、だいたいその後に、「なのに売れていない」とおちゃらけが続くのですが。
 でも、そのおちゃらけは照れ隠しなんじゃないかなと聞こえるんですね。
 所ジョージさんの歌はだいたいコミックソングに分類されています。タイトルからして、慧眼の方にはそのあたり見抜かれてしまうのでしょうが、実際歌もいつものテレビでおなじみな肩肘張らない所さんの声がのびやかに響いてきます。けどその力こぶを感じさせない歌を聴いていますと、コミカルな中に、すごくシリアスな歌詞がたまにひょこりと顔をのぞかせるのですね。
 例えば冒頭の「万事急須」という曲は、お客様が来た時のためにとあらかじめ急須の中にお茶っ葉をスタンバイしておいたもののきちんと伝えていなかったものだから家人に洗われてしまって今さらいいだすこともできなくて「またやればいいじゃない」と自分を慰めてみる、多分休日のお父さんあたりの哀しさとおかしさを歌った一大エレジーですが、そこで、

求めるものだけが 遠ざかるような
思いこみが ふくらみすぎただけのことで
不安は なめらかさを やる気は流れをとめて もがき出したら
きゅうすに お茶の葉 入れておきましょ ひとつのりしろ もどっておきましょう
又 やればねえ いいじゃない


 そういう行為は無駄じゃないし、そういう行為に向けた思いこそが大切で、たまにはその思い自身に目を向けて初心を忘れないようにいきましょうと声を掛けてくれます。
 このコミカルとシリアスの往復がとても心地よいのですね。
 今回のアルバムでは、日々の暮らしの中で起こるすれ違いとまではいかないちょっとした視点の違いを表した「生活の基礎II」に、山から都会に舞台を移したカラスのアイデンティティクライシスを歌った「カラスなぜ鳴くの」、魚のタラがとれる場所にいたカニだからタラバガニと名づけられたタラバガニの悲喜こもごもの「どうやらタラバガニ」がそのバランスを気持ちよく聴かせてくれました。
 多分、所ジョージさんの歌は、コミックソングとしてみてもそこに徹していないために、素直に笑えないむず痒さがあるのでしょう。
 しかし、そういうむず痒さが所ジョージという歌手の本気度がダイレクトに伝わってきている部分だと思うのです。コミカルに笑い飛ばしてしまいたいところでも、ふと別の視点が入ってきてしまってそれに徹しきれなくさせてしまう。
 そこに不器用にも音楽に真摯に取り組む、強い魅力が詰まっているように思えます。

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テーマ : 邦楽 - ジャンル : 音楽

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