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よりぬきデッドプールさん番外編: Hawkeye vs Deadpool

HvsD_fc.jpg イベント用の原稿をやっている間に、『Hawkeye vs. Deadpool』を読んだのですが、これが滅法おもしろくて、ひさしぶりにスカッと楽しめる一冊でした。

 まず前後の話とつながりが薄いのがいい。
 ミニシリーズですのであたりまえといえばあたりまえなのですが、それでもなかには現行シリーズとか大型クロスオーバーにからんでくる話だったりして油断ならないのがアメコミですから、追いかけていないストーリーが説明もなくひょっこり顔を出して大混乱なんてことがままあります。
 ところが、この『Hawkeye vs. Deadpool』はそうした部分が極力避けられているので、いきなり読んでも話が通じます。
 ただ、一部のキャラクターだけは、ある程度知識があった方がわかりやすいのは、これはいたしかたないところでしょう。
 特に第三期『Deadpool』誌はまだ日本ではまったく翻訳されていませんので、そこに登場するキャラクターはなじみが薄いです。『Hawkeye vs. Deadpool』を読むにあたって、事前情報として知っておくと便利なのは次の三人です。(とはいえ、一応本文中でもかんたんな説明はあるのですが)
Preston.jpg
 エミリー・プレストン:S.H.I.E.L.D.のエージェントで、イラスト通り肝っ玉母さん的なポジションをになっています。

Adsit.jpg
 スコット・アドシット:同じくS.H.I.E.L.D.のエージェント、どちらかというとコメディリリーフ的な登場が多いです。

 デッドプールはプレストンとアドシットの仲介を受けて、S.H.I.E.L.D.の下請けのようなことをやっています。
Ellie.jpg
 エリー:デッドプールの実の娘。現在はプレストン家にあずけられて育てられています。

 これらの人びとがからんで展開される『Hawkeye vs. Deadpool』は、ハロウィーン当日に幕を開けます。
 近所の子どもたちがやってきてはお菓子をねだってくるこのお祭りを、クリント・バートンことホークアイもウルトロンの格好に扮してノリノリで待ち構えていました。
 ところが、
「ここでビッグサイズのキャンデーをもらえるって聞いたんだけど」
「そいつは聞きちがいだ、ビッツサイズさ」
「ちぇっ、なんだよ、ちっちぇえなあ」
 子どもたちのあまりに素直な感想がホークアイの心をえぐり、やさぐれさせてしまいます。
 折悪しく、そこになにやらわけありらしい男性がやって来たものの、すっかり虫の居所を悪くしたクリントは追い返してしまいます。
 直後、その男性はパニッシャーとデアデビルのニセモノ(似てない)の襲撃に合い死亡、自らの短気を悔い、ホークアイとたまたま居合わせたデッドプールは死亡した男性がなにを伝えようとしたのか、襲い掛かった連中はいったいどういう意図をもって行ったのかを調査しはじめます。
 その結果として、ニセモノたちは強力な催眠を受けて施術者の意のままに動くようになっていたこと、そして殺された男性は名うてのハッカーでS.H.I.E.L.D.の全エージェントの個人情報を不正に入手していてそのデータを渡すよう脅迫を受けていたことがわかってきます。
 S.H.I.E.L.D.はアメリカの安全保障を担う特殊組織です。この組織を構成する人びとを意のままに操れるようになれば、市民の安全は極めて厳しい危機にさらされることとなり、さらには国家として立ち行かなくなるおそれさえ大いにあります。
 事態を招いた責任を強く感じ、クリントは後ろに控えるであろう集団との対決を誓います。
 そしてデッドプールも手を貸そうとします。S.H.I.E.L.D.は今ではまんざら知らない仲でもないエージェントがいますし、なにより愛娘はそのエージェントのもとで暮らしているのです。とても人任せにはできないと言い募りますが、クリントは耳を貸そうともしません。
 こうしていがみ合いつつも、ふたりのヒーローによる悪の組織の追跡がはじまったのでした。

 全体の序章ともいうべき#0はおおむねこのような話になります。
 ここにもうひとりのホークアイであるケイト・ビショップも加わり、催眠を使う謎の洗脳集団を追い詰めるストーリーが展開していきます。
 クリントの弓の腕前が冴え、デッドプールのアウトロー戦術が炸裂し、ケイトの変顔が花を添える。
 はじめはぎこちなかったチームワークが、やがてぴたりとはまっていく様には、胸をわくわくさせられます。
 とにかく話がわかりやすいのがいいです。
 正体の知れない敵が徐々に判明していき、追い詰めるも訪れる窮地、それを覆す逆転と、読んでいて爽快です。それでいて最後にはきちんとけじめをつけて、感慨を深くさせる余韻を残してくれる。
 ホークアイふたりとデッドプールのそれぞれにアクションで見せ場も用意されていて、とにかく中だるみがなく飽きません。
 イラストはMatteo Lolli、Jacopo Camagniというふたりが担当しており、同じ号でもあるパートは片方が別のパートではもう片方がという、ちょっと変則的な手法をとっています。このうちMatteo Lolliの方は邦訳も出た『ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポン』をかなり意識したと思しき実験的なコマ運びで楽しませてくれますし、Jacopo Camagniは日本のマンガの影響が大きなタッチでバタくさい絵柄に不慣れな人でも抵抗薄く読めるんじゃないでしょうか。

 英語も法廷シーンなどでつかみにくい場面がありますが、割と辞書を使った直訳でも意味が通りますし、絵柄も親しみやすく、話のテンポもいい。おまけにホークアイはかっこいいし、デッドプールははちゃめちゃしている、と。
 デッドプールの作品に原語でチャレンジしたい方から、まずどれから読むかとたずねられたら、迷わずおすすめできるくらいにおもしろいです。

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テーマ : アニメ・コミック - ジャンル : アニメ・コミック

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