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死せる頭の質受けを

 今週末の三月六日、いよいよ単独では四冊目となるデッドプールの翻訳本『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』が発売となります。
DHR_FC.jpg これまでに邦訳刊行されている『マーク・ウィズ・ア・マウス』や『スーサイド・キングス』のような、いわゆる正史ストーリーとは異なり、かといって番外編でありパラレルワールドを扱った『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース』ともまったくテイストの違う今回の本は、あえて似たものを挙げるなら、かつて邦訳も刊行されていた『バットマン:ブラック&ホワイト2』をさらに砕いた感じといいますと、ベテランアメコミファンの方はわかってくださるかもしれませんがそもそもベテランな方は既に原書で読んでいるような気がしないでもないジレンマが……
 と、ぐだぐだいってお茶を濁してしまいたくなるほどに、なかなか紹介者泣かせの一冊が今回の単行本なのです。

 まずはおおまかに構成について説明してみましょう。
『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』は以下のパートからなります。

1) デッドプール #900
2) デッドプール・チームアップ #1
3) デッドプール #1000
4) キャプテンアメリカ:Who Won't Wield the Shield?
5) メリー・フリーキン・クリスマス
6) カバーギャラリー

 このうち「1」と「2」は『デッドプール』第900号に、「3」と「6」が『デッドプール』第1000号に収録されていました。
 が、デッドプールがメインを張っている雑誌は、そもそもつい最近「今年の四月に通巻250号が出るよー」と告知のあったところで、900号とか1000号とかに達しているわけがありません。
 では何故900号なのか。これは私の推測なのですが、この『デッドプール』第900号の刊行された二〇〇九年はキャプテンアメリカやソー、それにスパイダーマンが続々と個人誌600号を刊行した年でありました。ですので、それに掛けたおふざけで、しかも600号だと信じる人がいないとも限らないので念入りに900号としたのではないでしょうか。1000号はその翌年二〇一〇年刊行ですから、お遊びの延長線ということで。
 600号といいますと、日本でも翻訳の出ております『キャプテンアメリカ:ロード・トゥ・リボーン』にキャプテンアメリカの関連誌600冊記念号が収録されておりましたので、読まれた方もいらっしゃるかと思います。
 キャプテンアメリカのこれまでとこれからを、関わり深いアーティスト達の手によってオムニバス形式で描いた増大ページによる特別号で、そのコミックスの重なりがそのままキャップの歴史を表している敬愛に溢れた一編でした。
「1」と「3」のデッドプールの900号、1000号も、このキャップの特別号にも似て、多くのアーティストによって様々なデッドプールが描かれたアンソロジーコミックスとなっています。違う点といえば、敬意のかわりに悪ふざけがこれでもかと盛り込まれていることでしょうか……
 収録作がどれも十ページ足らずの短編ですので、正直あらすじを書くのにも困るのですが、それでも900号の方は「デッドプールvsキャトルミューティレーション」「口を開けデッドプール」「デッドプールvs心理カウンセラー」「口を閉じろデッドプール」「デッドプールvs警察」「デッドプール南海の死闘」などとそれぞれキャッチコピー的なものをつけることが可能で、ヒーロー(あくまでデッドプール的なという意味でですが)としての活躍を見ることもできます。
 一転1000号は、冒頭のラスベガスでのハードボイルド風な一編を除いて、ほぼカオスが大挙して襲ってくる実験的前衛漫画風の作品で占められていて、「もうとにかく読んでちょうだい!」としかいいようのない作品群です。実はそれでも、後にひかえているものにくらべると、まだマイルドなのですが……

 順番でいきますと次は「2」の「デッドプール・チームアップ #1」ですが、これは結構有名になっているデッドプールがソーやゴーストライダー、吸血乳牛のヘルカウ、果てはギャラクタスとチームを組んだ一連の『デッドプール・チームアップ』のシリーズとはまったく異なる作品です。
 これはデッドプールにとっては初めての長期連載シリーズとなった第一期『DEADPOOL』誌の販売されていた頃に一号限りで出た特別号で、刊行は一九九八年とこれまで邦訳されたどの作品よりも古いものになります。
 内容としては誰とチームを組むかというより、デッドプールのオリジンにからむ話として、またついつい忘れられがちな多国語に堪能という能力が描かれた、なんと日本を舞台とした話として楽しむ作品だと思います。
 デッドプールに限らず九十年代の作品が翻訳される機会は少ないですし、そういう意味でも貴重な一編といえるかもしれません。

 そして「4」です……
WWWS_FC.jpg なんでキャプテンアメリカ? という疑問ももっともです。これにはまず『Captain America: Who Will Wield the Shield?』という一編があるというのが前提になります。『キャプテンアメリカ・リボーン』の後日談でキャップの象徴ともいえるシールドの所有をめぐるスティーブ・ロジャースとバッキーとの思惑を描いたストーリーですが、日本では未訳です。
 そのパロディをデッドプールでやったのが、この「キャプテンアメリカ:Who Won't Wield the Shield?」なのです。これも単独で刊行された、いわゆるワンショット誌の一冊です。ただ、私も元の「Who Will Wield the Shield?」(ややこしい)を読んでいないのでわからないのですが、多分それほど忠実なパロディじゃないです。
 こちらも短編連作によるアンソロジーコミックスなのですが、1000号よりもさらにカオスに拍車がかかり、サイケデリックにぶっ飛んだ作品あり、そもそもこれデッドプールなのか? という話もありで、まさにやりたい放題の濃厚な二十ページを体験できます。

「5」はデジタルコミックとして配信されていたものからの収録で、ある意味最もスタンダードなデッドプールらしい作品じゃないでしょうか。
 おおむねタイトルから想像可能なクリスマスストーリーが、それまでのやたらめったら混沌に混沌を重ねた話の後に配されているおかげで、なんとなくほっとできてしまいます。

「6」は邦訳本にもよくついている雑誌販売時のヴァリアントカバーギャラリーですが、デッドプールが出演もしていない他のキャラクターの個人誌を乗っ取ったりお邪魔したりしたものばかりを集めています。

 とまあこのような内容で、今回の『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』はいってみれば公式同人誌のような一冊になります。
 これまで以上にマーベル世界との関わりは薄いですし、いわゆる有名キャラもほとんど登場しません。(あ、ボブは出ます)
 好き嫌いは今まで以上に分かれやすい本になるんじゃないでしょうか。
 でもこうした滅茶苦茶もまたデッドプールの魅力の一端でもあり、はまってしまうと変な笑いがいつまでも出てくるなんとも始末の悪いところが、このキャラクターの魅力を表しているともいえる気がします。

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