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よりぬきデッドプールさん:WADE UNTIL DARK

 台風の影響で仕事がはやく終わりましたので、二日連続のブログ更新を。

 先月末に『デッドプール:スーサイド・キングス』の邦訳版が刊行され、アニメ『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』にまでついに登場し、世のマニアックなお兄さん方ばかりでなく、お茶の間のお子様にまでその名前をとどろかせた我らがデッドプールさん。
 来年早々にも次の邦訳の刊行が決定していて、ますます目が離せませんが、目といえば、デッドプールは一般の人々とは少々異なるものが見えています。(少々強引な導入ですが)
 これには大きく分けて二種類の視点が存在します。
 まずひとつ目は、「第四の壁の破壊」にまつわる、コミックの向こう側、つまりは読者である私達のサイドが見えているというものです。ある種デッドプールを象徴するほどに有名な能力ですね。
 もっとも、こちらに関しては、物語自体を破綻させかねないというリスクもあって、有名な割にはあまりストーリーラインで積極的に使用されることはありません。特に話の規模が大きなものになればなるほど、なかったも同然な形になります。
 このあたりを評して「空気の読めるキチガイ」なんて呼ばれたりもしています。
 この第四の壁を無視する視点は、いってみればデッドプールの所属する世界、コミック界の住人と異なる視点です。
 デッドプールの一般人から逸脱するもうひとつの視点というのは、そこにさらに私達コミック読者も含めた全員とも異なるもので、いわゆる幻覚になります。
『スーサイド・キングス』を読まれた方でしたら、作品中で突然『オズの魔法使い』の登場キャラクターに扮したデッドプール一行のページが挿入されるのを覚えていらっしゃるんじゃないでしょうか。ああいうやつです。
 あの手の幻覚は、もうしょっちゅう、それこそ雰囲気がギャグだろうがシリアスだろうがところかまわず登場しています。TPD05.jpg
 このふたつを含めてデッドプールは自分の視点が特殊なことを知り抜いており、わざわざ「プール・オ・ビジョン Pool-O-Vision」などと呼んでいることは、『スーサイド・キングス』の解説小冊子でも書かれている通りです。
 前置きが長くなりましたが、今回紹介したいのはこのプール・オ・ビジョンに焦点をあてた一編「DEADPOOL: WADE UNTIL DARK」です。
 もとは第二期デッドプール誌第25号「TRICKY Conclusion」のオマケにつけられていたもので、単行本であるTPBではvolume 5に収録されています。

 お話の舞台となりますのはブルジュ・ハリファ。アラブ首長国連邦の首都ドバイにある世界一高いビルです。
 職員の全て帰宅した深更、その高層ビルに居を構えたオフィスの一室にうごめく黒い影が、備え付けの金庫の中身をいただくべく奮闘しております。そうはさせじと現れましたが、我らがデッドプールさん。
 登場三コマで、金庫を焼き切るために強盗が持参していたバーナーで目を焼かれます。
WUD01.jpg
 炭化して虚ろにくぼんだ眼窩が妙にリアルですが、心配御無用! デッドプールさんはご存知ヒーリングファクターを体内に有しておりますので、この程度の負傷でしたらある程度時間をおいたら回復してしまいます。
「ある程度ってどの程度?」
「だいたい十ページってところかな」
 と、定番のメタネタも絶好調です。

 しかしデッドプールは強盗達に撃たれ、さらにその衝撃で窓を突き破りあわれまっさかさま……と、あやうく地面と熱い接吻をしてしまうところでしたが、咄嗟の身体能力でなんとか下の階に飛び込むことに成功します。
 勝手のわからぬ建物内で視力を失い絶体絶命となるところが、ここで件のプール・オ・ビジョンが登場します。
WUD02.jpg
 説明しよう! プール・オ・ビジョンとは、感覚器官によって集積された周辺情報を再構成することによって、かなりの精度で現実に近付けて擬似的に「見る」ことを可能にする能力である!
 どこかの恐れを知らぬ男みたいと言ってはいけません! 本人が別のところで言っていますから。
 けど、この説明って結構説得力があるんですね。五感すべてを通して得られる情報だけに、種々の錯綜もあり得る話で、それが幻覚となって視覚に投影されているとすれば確かに辻褄は合いそうです。まあ、幻覚は、デッドプール本人の資質によるところの方が大きい気もしますが……
 それでも、これは確かにとても便利な能力です。今回の話のように、たとえ盲目になりましても、かなりの精度で現実そのままの把握ができるのですから。
WUD03.jpg
 かなりの精度で。

 とまあ、こんな感じで、盲目になったデッドプールがドタバタをくり広げながら、どうにか事件に片をつけるという話です。その長さピタリと十ページ。
 通常の雑誌収録の話よりもページ的に短く、他の有名なヒーローやヴィランが出るわけでもなく、もちろん大掛かりな事件に発展するでもない話ですが、昔のテレビのコント番組を見るような笑いがところどころに散りばめられていて好きなんですねえ。
 最後に決めるところは決めてくれますし。
 とんねるずやダウンタウン、ウッチャンナンチャンといったお笑いコンビが中堅として体を張っていた頃のコントと言ってピンとくる方には、結構スルリと飲み込んでもらえる一編かと思います。

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