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枝雀を聞きたくて

 年に何度か無性に桂枝雀が聞きたくなります。
 だいたいが「寝床」「くやみ」「宿屋仇」からはじまりまして、その時の気分で聞きたい噺を選ぶというのが、一週間から二週間ほど続きます。
 とはいいましても、寝る前のわずかな時間だけの話でして、多くても二席ほとんど一席が限度ですので、なかなかどっぷり浸るというわけにはいきません。
 枝雀の魅力は多々あるとは思いますが、私は声にまず惹かれます。
 ねばっこい、いかにも関西弁らしい関西弁で、納豆かおくらかとろろいもかと思えるしつこさを持ちながら、それでいて圧倒的な早口でまくしたてますから、糸を引いた言葉が耳から全身へまとわりついてくる感覚があります。ところが、これが不思議なもので、まといついた後は意外と離れがよいので、言葉に自分が囲まれている感じがとても快いのです。
 特に夏には、むしろこの暑苦しい声が、暑気を吹き飛ばしてくれまして、なんともすがすがしい気持ちにさせてくれます。
 そんなわけで、好きな噺も夏の噺が多いです。
「夏の医者」「蛇眼草」などなど。怪談噺の「仔猫」や「まんじゅう怖い」も不気味さと愛嬌が重なって間をおいて聞きたくなる魅力があります。ちなみに有名な話ではありますが、大筋では江戸落語でも「まんじゅう怖い」は同じですが、サゲにいたるまでの盛り上げに大きな差があり、怪談噺としかいいようのない趣向が中に凝らされております。ですので、私としてはこの噺は夏のものに分類したいのですね。
 とにもかくにも、また今日もあの坊主頭の枝雀の「かーっ」という太陽の照りつけにも似た叫びを聞きたいと思います。
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