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落語国妖怪紳士淑女帳「天狗裁き」

 話の口火を切るのに、見た夢を語るというのは、オーソドックスな手法です。
 一富士二鷹三茄子や宝船なんていう吉夢はもちろん、後味のよろしくない悪夢でもきっかけになりますし、面識のあるなしを問わずどんな人が出てきたというのも話題作りにはもってこいです。
 そうでなくとも、夢特有の理屈が通りそうで通らない不条理な筋立てだけでも、人の関心を集めるには十分でもあります。
 もっとも、そこは夢だけに脈絡もありませんから、なかなかその後が続きません。定石としてあくまで方便にとどめておくのが無難ではありましょう。
 ただ、インパクトの強さはありますので、昔から夢を冒頭においた物語は、小説、舞台、映画など表現の種類は問わず、数多く存在します。
「天狗裁き」という演題を持つ落語も、やや変則的ではありますが、そんななかの一つです。

 落語世界ではおなじみの八さんが、陽気に誘われて昼からうたた寝をしております。なにやらよほど心地よい夢を見ている御様子で、笑いながらむにゃむにゃ寝言をつぶやいています。それを目にしたおかみさんは、夢の内容が気になってしかたありません。ほどなくして起きてきた八さんに、詳細をたずねてみますが、当の本人は夢なんて見ていないの一点張り。
 なにか都合のわるい内容だったから隠しているのだろうと迫るおかみさんと、あくまで夢を見ていないと主張する八さんが、はじめの方こそは笑いながらいいあっていたものの、双方譲らないうちに次第にボルテージが上がりまして、売り言葉に買い言葉を重ねるうちに「殺せ」「殺してやる」の大ゲンカに発展いたします。
 それを聞きとがめた長屋の隣家の友人が、あわてて止めに入り、ひとまずは八さんとおかみさんの間のいさかいもおさまったかと思うのも束の間、そこまでひた隠しにするには、よほどいいにくい夢だったに違いないと、仲裁してくれた友人が今度はたずねてくる。
 と、慧眼の読者さんは、先刻ご察しでしょうが、「天狗裁き」はこのくり返しが、次第に規模を大きくしていく様を描いています。
 はじめは家庭内でのいいあらそいだったものが、次はご近所を巻き込み、近所の片がついたと思えば今度は長屋の大家が出張ってくる。大家の次は奉行、奉行の次には天狗までもが八さんの夢を聞きたがり、そして……

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イベント終了いたしました

 五月三日開催のふたば学園祭8無事終了いたしました。
 まずは、参加されました皆様お疲れ様でした。

 そして、うちのスペースまで足をお運びくださいました皆様、ほんとうにありがとうございました!
 おかげさまで、たくさんの方にお越しいただけ、当日はうれしい悲鳴をあげておりました。
 当日は荷物の片付けの要領が悪く、パイプ椅子をまたいでの常時開脚状態で、腿がつっぱりまくっていたのですが、それでもなんとかしのぐことができましたのは、参加者のみなさんのおかげです。

 ひねさんの艶と妖気の入り混じったすばらしいカバーがあるとはいえ、中身は文章だけの本に興味を示してくださった方が多くいらっしゃり、あろうことか「去年の本がおもしろかったので」という感想までいただけましては、まったく冥利に尽きるというものです。
 私がこうして創作活動を続けていられるのは、すべてみなさんのおかげです。
 こうしたお声にこたえられるよう、いたらない点を一つでも少なくしていけるよう努めていきます。

 それでは、また次回の学園祭でも、是非ともお会いいたしましょう!

ふたば学園祭8告知

 すっかり遅くなりましたが、イベントの告知をさせていただきます。
 来たる五月三日に東京の大田区産業プラザPiO大展示ホールにて開催されます、ふたば☆ちゃんねるオンリーイベント「ふたば学園祭8」に、私もサークル参加いたします。
 スペースとサークル名は、

  H-07 文字スレ立てんな!

 です。

 およそ数ある同人イベントのなかでも、かなり間口の狭い部類に入るオンリーですが、ご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、お気軽にお立ち寄りいただけましたら幸いです。

 今回のイベント用に準備しました新刊のタイトルは『孤色騒然』です。
 主人公の異なる二つのサイドを用意いたしまして、それぞれ三話ずつ計六話からなる連作短編の小説集となっております。
 片方のサイドの主人公となるのは、井之頭五郎、最近ドラマにもなった『孤独のグルメ』で方々を歩き回って種々の食事を堪能することで知られる中年男性ですが、彼がふたば虹裏の登場人物たちのうろつく町を歩き、不可思議な出来事に遭遇し、大いに面食らいながらも飯も食います。
 もう片方のサイドは、もっとふたば☆ちゃんねるの虹裏という掲示板寄りの内容となっております。
 勢多涼子という虹裏で生まれたキャラクターを主人公としていますが、この勢多さんは立ち位置が少し特殊です。虹裏で生まれたキャラクター達がテレビの中で描かれている世界で、その番組サイドの女優を務めているというキャラクターで、それ自体が枠物語を構成しています。
 この勢多さんが、実際にはいるはずのない虹裏キャラクターたちを身近に感じて、おおいに戸惑いつつも、さらに奇妙な事態に誘われるかのように引き込まれていきます。
 この二つのサイドのつかず離れずの、微妙な雰囲気を味わっていただけましたら、私としましては冥利につきます。

孤色騒然カバー
 文庫本サイズで本文百二十ページ、頒価は五百円を予定しております。
 また、今年もひねさんが、素敵なカバーを描いてくださいました。拙作がおかげさまで、見違える出来に思えてきます。

 そしてサークル名通り、絵の一枚も挿入されない文字だけ本の既刊在庫も持っていきます。
 なにとぞよしなに。
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