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一銭五厘たちの横丁から

 読みもしない、読めもしない本ばかりを集め、集める行為に満足を覚えるようになってきますと、気持ちがすれてきて、本屋さんに出向いて書棚にズラリと並ぶ背表紙をながめても感動がなくなってきます。
 もちろんこれは本の責任であろうはずがなく、私自身の能力が本に追いついておらず、覚えたくとも感動を覚えられなくなっているだけです。
 けれども、本の世界は奥深く、そんな怠惰と傲慢と無知の同居を、横っ面から思い切りはたき倒してくれるような一冊すら存在しているのです。
『一銭五厘たちの横丁』はまさにそういう風にして、私の前に突然現れた本でした。

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かわいい娘には旅をさせよ

 近頃は夏が長くなったとはよくいわれますが、さすがに十一月にもなってきますと、秋めいた風も吹くようになってまいりました。
 冬の夜気が身を引き締めるのと異なり、静かに広がる秋のものを肌で感じておりますと、月下独酌、安酒の杯もつい進み、気がつくといぎたなく布団に倒れ込んでいるなんてことも珍しくありません。
 私は脂身の乗り重なった体格のおかげでもありまして、どうにか酒味をたしなむ幸いを私も獲得しておりますが、世界的に見るとアルコールを体質的に受け付けない人の多いわが日本では、酒が文学作品の主題となることはあまり多くありませんでした。
 たしかに酒豪を自他ともに認められた文人は数多くいますが、それが詩情にまで達するという点では、中国に一歩も二歩も譲らねばならず、残念ながら一杯一杯復た一杯のような暗誦を許す言辞はいまだ現れていません。
 その中国の酒の代表格といいますと、まずは紹興酒が浮かびます。
 逝江省紹興を産地とするこの酒ですが、興味深いことに最上級品質のものを特に女児酒と呼ぶのだそうです。
 と申しますと、房中術についても多くの言葉を残している国ですので、さぞ驚きの酒造法を持っているのだろうと思われるかもしれませんが、残念ながら世のドジスン諸卿に御満足いただけるような答えはありません。
 この酒は富家に女児が生まれた際に醸造されるもので、嫁入りまで開封されることなく輿入れの道具の一つとして持たされるのだそうで、そこから由来して女児酒と名付けられているとのことです。

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