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蛇とタコとろくろくび

 こちらのブログにて、ろくろくびと蛇について興味深い話を拝見しましたので、私もそれに便乗しましてよしなしごとを。
 とはいいましても、私の場合は別に稀書珍籍からというわけでもなく、だれでも思いつくようなことですが。

 ろくろくびはちょっとおきまして、まずは蛇のお話から。
 蛇と民俗学と聞きますと、私はまず南方熊楠の『十二支考』を思い出します。というか、それだけがネタ本です。
 これは昭和五年頃から、熊楠が十二支について、それぞれ一項目をあてて方々の雑誌で書き綴ったエッセイで、牛だけが書かれませんでした。とはいっても、はたして熊楠にどの程度まとまった構想があったものやら疑わしく、そもそも型にはまった文章の書けない人なので、話はあっちに飛びこっちに飛び、章立てもそれぞれで一致いたしません。
 それでも、蛇についても「蛇に関する民俗と伝説」一章が割かれています。
 そのうちの一項目「蛇の変化」では、いつも通りの博覧強記ぶりを発揮しまして、『義残後覚』『和漢三才図会』『北越奇談』『甲子夜話』という書名を出して、蛇がタコに化ける話をとりあげております。

 タコですか。

 もちろん、飛ぶタコじゃありません。足が八本で墨を吹く、吸盤がチャームポイントな海のさびしがりやさんのことです。
 それで、柴田宵曲編『奇談異聞辞典』を開いてみますと、熊楠とは異なる参照元から蛇がタコに化ける話を引いてきております。また、岡本綺堂の「甲字桜夜話」でも馬琴の『兎園小説』より同様の話を載せています。
 おもしろいのは、普通に足がすべてそろっていても交接用に長く伸びた足が蛇を連想させるのと同時に、種類によるものか病気やケガによる欠損かはわかりませんが足の数の少ないものもまた「不完全なタコ」として蛇の変化したものと認識されていたことです。
 それだけタコと蛇のイメージが強く結びついていたのでしょう。

 次にタコについて、引用ブログ主のjamirさんのご教示によるデータベースで検索してみますと、次のようなものが引っかかりました。

■ 書名・誌名 小泉の民俗―宮城県本吉郡旧小泉村―
■ 巻・号/通巻・号 昭和56年度号
■ 発行所 東洋大学民俗研究会
■ 発行年月日 S57年7月
■ 発行年(西暦) 1982年
■ 開始頁 345
■ 終了頁 438
■ 地域(都道府県名) 宮城県
■ 地域(市・郡名) 本吉郡
■ 地域(区町村名) 本吉町
■ 要約 小浜海岸で夜釣りをしていた人が、光る皿のようなものが二つ飛んでくるのを見た。それは蛸で、光るものは蛸の眼だった。


 案外、海の生物と空というのは近しいつながりを持っています。貝が成長すると鳥になるとか、逆に渡り鳥は冬場海の底で冬眠しているとか。そんな話は枚挙にいとまがありません。
 空の果て、海の底、人間の目でははかりがたい世界を生きる生物を、ある種同一化するところがあったのかもしれません。
 西洋ではカサゴが空を飛ぶと信じられていたくらいですので、タコが空中遊泳を楽しんでいても、さほどおかしくはないのでしょう。
 しかし、ここで興味深く思うのは、タコが飛ぶという話よりも、その飛び方にあります。勝手なイメージですが、海を泳ぐのと同じ姿をしていたんじゃないでしょうか。
 脚を一まとめににして、水を吹き出す勢いを利用して移動する、あの泳法です。
 そして、あのタコの泳ぎ方は、遠目に、例えば水中のあまり視界のきかない中で見れば、枝垂れ髪の人間の頭が舞っているようにも写る気がします。

 お待たせいたしましたようやくここでろくろくびの登場です!
 ろくろくびと蛇が同一視される一方で、蛇とタコにも強い親和性が確認される。そして、タコの泳法の人間の首とも見紛う様相。
 これらを合わせて考えますと、あくまで海浜部に限定されると思いますが、ろくろくびと蛇が混同される間には、媒介としてタコという存在を挟んだ可能性が指摘されるのではないでしょうか。
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 さて……

テーマ : ひとりごと - ジャンル : 日記

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