スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ロボガアンソロ

 友人の七生さんが、マンガにて商業デビューを果たしました。
RGZ.jpg 収録はぶんか社より刊行されております『ロボットガールズZ 公式アンソロジー vol. 1』に。
 タイトル通り、2014年に短期集中的に放映されたアニメ「ロボットガールズZ」のアンソロジー本で、豪華執筆陣に囲まれて腕を振るっております。
 東映ロボットアニメと永井豪によるロボット作品の主役マシンが美少女化された、いわゆる擬人化作品のひとつです。
 正義のためというよりは自分達のテンションと感性で悪人(自称)をフルボッコにする、スラップスティックギャグコメディということです。
 七生さんは、その手の女の子がクレジットカードを持ったらどうなるかというテーマでギャグを……って、これロボットものでも美少女系のマンガでも扱うテーマじゃないですよね!?

「ロボットガールズZ」を未視聴で、おまけに元のロボットアニメも名前すらうろ覚え程度の私でも、アップテンポなギャグに笑わせていただきましたので、どちらの作品も好きだという方には十分お勧めできるかと思います。

スポンサーサイト

テーマ : 漫画 - ジャンル : アニメ・コミック

まつだこうた『おかか』第1巻

OK_fc.jpg 以前に当ブログでも紹介させていただきました、「ヤングマガジン」誌で絶賛連載中のまつだこうた先生の『おかか』第1巻単行本が発売されました。
 小学生期間の下校時から家に帰るまでのゴールデンタイムにくり広げられる、わんぱくとはちゃめちゃと時々不条理なコメディです。
 東京などの巨大な都市でなく、かといって第一次産業が主体の山奥でもなく、ベッドタウンらしき地域のご町内で起こる日常的な出来事の数々は、時代の流れのゆるやかさを思わせ、だからこそ今の小道具や状況を無理なく内包しています。
 人通りの少ない裏路地のコンクリ製の階段、開け広げの廃屋、草の生い茂った斜面、そして底抜けの青空。そんなものがなんでもあるマンガです。
 同時に子供たちが興じているのは携帯ゲーム機であり、共通の大きな価値はトレーディングカードであります。
 そうした要素が混ざり合って、ノスタルジーに浸る際に、つい覚えてしまううしろめたさを、解消してくれている、なんとも心地よい作品です。

 といいましても、決してうしろ向きな楽しみしかできない本というわけではありません。むしろ、そんな要素は二の次三の次で、上質のコメディとギャグがてんこもりです。
 スピード感のあるセリフまわしに、予測のつかない展開、そして身も蓋もないオチと、1話ごとの密度がものすごいです。
 特に唯一の前後編である、たまたまおかかが作り出したジュースが発端となって起こるストリートギャング(はたまた任侠もの)話は、描写がリアルになればなるほどばかばかしさも果てなくなり、つっこみの追いつかないおかしさが癖になります。
 子どもがきちんと子ども子どもしているから、どこもいやみにならず、ただ笑っていられる。
 今どき少なくなった純粋なコメディとして、お勧めできます。

テーマ : 感想 - ジャンル : アニメ・コミック

『ガロ』の水木しげる

 かつて『ガロ』という月刊マンガ雑誌がありました。今はもうありません。
 その『ガロ』を出していた出版社は青林堂、こちらも今はもう……といけば対照がとれるのでしょうが、残念ながらそうはなっておりません。
 1964年ですから東京オリンピックの年に産声をあげた『ガロ』は、白戸三平の「カムイ伝」を巻頭におき、何人かの貸本マンガ雑誌の作家を主軸として船出をはじめました。
 その中のひとりに水木しげるも数えられます。
 水木しげるは『ガロ』の初代編集長にして初代社長でもあった長井勝一と昵懇の仲だったようで(といっても、他の作家も全員そうなのですが)、招聘に応えて創刊号から作品を掲載していきます。
 その『ガロ』に載ったものを集めた作品集が、近頃刊行されました『水木しげる漫画大全集』第64巻「『ガロ』掲載作品」です。

MS064_FC.jpg 集めも集めたり30本以上のマンガに、さらに水木しげる以外のペンネームを用いて書かれたエッセイまで含めているのですから、改めて編集者の飽くなき情熱と丁寧な作業には頭の下がる思いです。
 一読驚いたのが、「水木しげるって『ガロ』にこんなに描いてたのか」という点でした。
 水木しげるは早々に『墓場鬼太郎』で「週刊少年マガジン」に連載を獲得したのは知っておりましたので、『ガロ』に作品を寄せたのは「鬼太郎夜話」のシリーズを除いて極短い期間だと勝手に思い込んでおりました。
 ところが実際には創刊から五年間、ほぼ休みなく作品を提供しています。
 長い水木しげるのマンガ家人生で、現在にいたるまで、ひとつの雑誌にここまで長期間に渡ってコンスタントに作品を発表し続けた例はないのではないでしょうか。
 おそらくそれを可能にしたのは、水木しげると長井勝一との間の友情であったような気がします。
 水木マンガの初期、長井勝一は欠かせない存在でした。三洋社という貸本マンガ会社時代からのつきあいというのももちろんありますが、実生活だけでなく、長井はモブキャラとしてよく水木マンガに登場したのです。
 米粒のような輪郭で下がり眉、目は半ば閉じていかにも幸の薄そうな気弱さが漂い、鼻の穴だけが妙に大きく見え、その鼻筋は長くほとんど顎の先まで伸びている。
NK.jpg 最も有名なところでいえば、『ゲゲゲの鬼太郎』の「さら小僧」で印象的な「ぺったらぺたらこ」を歌っているザ・ビンボーズのメンバーの彼です。
 自分の作品に頻繁に登場させるキャラクターとして、いわば血肉に近い仲のふたりを思わせるエピソードを、呉智英が水木の自伝的エッセイ『ほんまにオレはアホやろか』の解説によせています。
 今でもかんたんに手に入る本ですので、内容は実物に譲るとしまして、そこで呉は水木しげるが長井勝一を「勝っちゃん」「勝っちゃん」と呼んでいることを書いています。
 この呼びかけの雰囲気がとてもやわらかで、それは鋭利な文章の代表である呉智英の筆が笑みにゆるんでいることからも明らかです。
 そうした空気がほとんどそのまま『ガロ』に掲載された作品群にも漂っています。
 読んでいて肩の凝らない、力みの入っていない、それでも手は抜いていないいい心持ちのマンガたちです。
 たしかに当時の世相を露骨に反映したものや、救いもなにもないものもまざっていますが、不思議とどれも読み終えてのあと味はわるいものではありません。
 見知った座敷でごろんと横になっているような居心地のよさが読者にも伝わってきます。
 おそらく、それは水木しげるが『ガロ』という雑誌に感じていた感触なのでしょう。
 この巻には妖怪はほとんど登場しません。そういう意味では、妖怪マンガ家水木しげるの作品集としては少々物足りないところがあるかもしれません。けれども、マンガ家水木しげるとして見た場合、やはり看過できない作品群がきらめいているように思えます。

テーマ : 水木しげる - ジャンル : アニメ・コミック

『ラブやん』最終巻読みました

『ラブやん』が完結して最終巻が出たということで、早速購入してきました。
 いろいろと驚きではありましたが、なにより自分でもびっくりしたのは、まさかラブやんにときめく日が来ようとは……

 ご存知の方も多いとは思いますが、『ラブやん』は2000年初頭より田丸浩史により主に雑誌「月刊アフタヌーン」に連載されていたギャグ漫画です。
 恋愛下手な主人公を助けるべく異世界より天使がやって来たことから引き起こされるスラップスティックコメディ、と書きますと、いかにも昔からの少年漫画テイストの王道という感じですが、やや違うのが主人公大森カズフサがロリオタプーの三種の神器をまとい騒動を起こす側で、天使ラブやんがつっこみポジションということで……
 ただ設定をひねったというだけでなく、同時に、このカズフサという主人公の造形が、ある年代のひとびとにすごく刺さったのが、足掛け十五年に渡る長期連載を可能にした要因のひとつだと思います。
 カズフサはとても、今の三十代にあたるオタクといわれるひとびとのエッセンスを抽出しているのです。
 それは外見や言動・思考といったものではなく、まとう雰囲気とでも説明するしかない、全身からただよう何かです。
 ただ、なんとなく見ると、「ああ、俺達ってこんな感じだよな」と思わされるものがまず飛びこんできます。
 アフタヌーンで現状最長期連載というのも、ある意味もっともだと思わされます。なぜなら今のこの界隈がそうした状況なのですから。
 だからこそ、その桎梏を断ち切って、完結に持ち込むことのできたことに驚きと、感動さえ覚えないわけにはいきませんでした。
 そして読んだ『ラブやん』第22巻は、納得のフィナーレといえるものでした。
 これまでの日常と大きく変わることが描かれているわけではなく、やはりカズフサは己の主に下半身から立ち上る欲求に正直で、ラブやんはそれをたしなめ、そこにぐだぐだな慣れ合いがはさみこまれます。
 それでも確実に変化は起こっていました。カズフサの表現した「家族」という言葉にそれが最も強く表れていたように感じます。これまで彼女や恋人を求めていたものの、その後ろ、つきあう女性を作ってからどうするかに向き合ってこなかったカズフサが自ら家族を意識しだしたこと、そこに大きな変化を見ないわけにはいきませんでした。
 そしてラストの家族を手に入れたカズフサは、やっぱりいつもと同じく、こちらの立場でこちらの言葉でしゃべっていました。でも、だからこそ、嬉しく喜ばしく思えました。自分達の世界もまだまだ広がる余地がたくさんある。そう教えてくれているかのようでした。
 ギャグ漫画に過度なメッセージを読みこむことこそ、たちの悪いギャグだとは思いますが、ついついそんなことを思わずにはいられませんでした。
 なにはともあれ、22巻、長きに渡って楽しませてくれた『ラブやん』という漫画に、最大級の謝辞を送りたいです。
 そして、このタイミングで、今度こそ念願のアニメ化を!

テーマ : アニメ・コミック - ジャンル : アニメ・コミック

上田としこ『フイチンさん』復刻愛蔵版上巻

 何気なく読んでいた新聞の日曜版書評欄で見つけた一冊の漫画本に目を引かれました。
 上田としこ『フイチンさん』と書かれたそれは、昭和三十年代に少女漫画雑誌で連載された作品で、戦前の旧満州を舞台に大家の門衛の娘フイチンがお屋敷のお坊ちゃんの子守りに抜擢されたことからはじまる物語をコミカルに描いたものとのことでした。
 書評を読んだ最初の感想は、
「へー、『つる姫じゃーっ!』の作者さん、こういう漫画も描いてたのか」
 と、おかっぱでてっぺんはげの女の子が馬賊姿で荒原をドタドタ疾走しているイメージが頭に浮かびました。
 以前から満州に興味を持っておりまして、それも手伝って、ネット検索をしてみますと、ところが出てきたのはもっとデザイン的なスマートな絵でした。
 このあたりで、さすがに鈍い私も気がつきました。
 今回話題になっていた『フイチンさん』の作者は上田としこで、『つる姫じゃーっ!』は土田よしこ……
 いやはやうろ覚えの知ったかぶりくらい始末におえないものはありませんです。

続きを読む »

テーマ : ブックレビュー - ジャンル : 小説・文学

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。